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ピアノ調律師になるために

入会審査

「国家検定ピアノ調律技能検定試験」に合格され(1級・2級・3級いずれも可)、 当協会の推薦と書類審査により一般社団法人日本ピアノ調律師協会に入会し会員となることが出来ます。

調律師とはどんな職業か

楽器には調律が必要です。
通常の楽器の場合、演奏する人自身が楽器の保全と管理に気を配り、音の調整や調律を行っています。ところが、ピアノの場合は、他の楽器と同じようなわけにはいきません。複雑で微妙な働きを持ついくつかの機構や機能が組み合わされているからです。そこで、ピアノについて熟知した専門家である調律技術者が楽器の健康状態を診断し、問題があれば適切な処置をする必要があります。
こうして、製造技術者とは違った側面から、ピアノの調律・保守を専門に行う技術者の職業としてピアノ調律師が生まれました。ピアノの黎明期あるいはそれ以前の時代にはピアニストや演奏者が演奏会などの都度自分で調律をしていた時代もありました。ピアノの進歩と発展に伴い、より高度な技術 や精度を要求されるようになり専門の職業としての調律師というものが成立したわけです。

この職業に就いている人たち

ピアノ調律師として生計をたてている人の数については正確なデータはありませんが、会社に所属している調律師や、自営業者、フリーを合わせても約10,000人程度と推測されます。
(一社)日本ピアノ調律師協会 では入会に際して資格審査を行っていますが、 これに合格し、調律師として協会から認定されている調律師は、平成27年度末現在で約2,500人います。このうち約3割以上は、ピアノ製造メーカーや販売会社に所属する調律技術者です。
協会の入会審査は、「国家検定ピアノ調律技能検定試験」に合格され(1級・2級・3級いずれも可)、当協会の会員の推薦された方が、一般社団法人日本ピアノ調律師協会に入会し会員となることが出来ます。

近年の新規入会者は、大体毎年約30人ぐらいのようです。
協会員のデータで見るかぎり、現在の会員数に占める女子調律師の割合は17%に過ぎませんが、最近の入会者の動向を見ると、毎年女子が47%以上を占めるようになっており、私たちの協会に問い合わせてくる人のうち7割程度が女子だというデータもあります。 従って、今後は女性の調律師がかなり増えてくると考えられます。

楽器販売店(小売)の社員として、ピアノ販売のアフターサービス要員、フォロー・メンテナンス要員になっている調律師も漸増しています。
しかし、昨今は大手ピアノ製造メーカーの調律師養成機関や専門学校で学んだ人が、卒業後ピアノ調律師として活躍する事が多くなっています。

この職業に就くには

ピアノ調律師としての実力を認定する制度としては、※Ⅰ国家検定「ピアノ調律技能検定」制度があります。但し資格免許が無くても調律をすることは出来ます。しかしながら将来ピアノ調律師として活動していくためには、国家検定「ピアノ調律技能検定」の「ピアノ調律技能士」の資格を得た方が顧客の信頼を得る事はあきらかです。

※Ⅰ 国家検定「ピアノ調律技能検定」制度については、(一社)日本ピアノ調律師協会のホームページをご覧下さい。

多くの場合、調律師になるには、ピアノメーカーなどに付属する養成機関や、専門学校、音楽大学の調律科などに入所または入学するという方法がとられています。こうした学校の定員を合計すると、400~500人ぐらいになります。
このような養成機関に入学するには、大体、高卒以上の学力と、音楽が好きで音に対する感覚が優れていること、指が1オクターブの鍵盤に楽に届くこと、健康で情緒が安定していることなどが必要とされています。また、18歳から25歳までという年齢制限を設けているところもあります。
試験科目は国語、英語、数字、一般教養、作文、音感テスト、適性検査、人物テスト、健康診断などとなっています。

大学は別として、修学年限は1~2年ですが、上級の専門課程などを含めると1~4年になります。
調律師に必要とされる基礎技術の習得には、知識の蓄積と、正常な聴覚や視覚のほか、手先の鋭敏性、感受性などの感覚的な要素も重要なポイントとなるため、一般的に年齢は、感覚や感性がさらに伸びる可能性が残されている25歳ぐらいまでが目安といえるでしょう。

養成機関で勉強する方法の他に、比較的大きな修理・メンテナンス部門を持つ販売代理店(会社)などで、5~6年間みっちりと修業し、体系的に修理・保守技術、調律技術を体得するという道もあります。この場合は、修業中に実際に実力のある先輩調律師のアシスタントとして、ピアニストやピアノ教師、ピアノ使用者との人間的交流を深めながら、調律師の仕事を見つめ、接客の方法や礼儀、アドバイスのし方などを身をもって学びます。


養成機関や専門学校のカリキュラムでは、調律実習はマンツーマン指導でも最低700時間です(一部メーカーの養成機関では1,400時間/年を越えるカリキュラムが設定されており、修学年限も1年間となっています)。

しかし、一人前の調律師として十分な技術と知識を習得するには、実質2,000時間は必要とされています。
この数字は日本ピアノ調律師協会の入会審査基準とも一致するものです。
つまり、養成機関を終了してからの企業内での調律の修業が、実際の技術を磨く訓練校の役割を果たしているといえるでしょう。

さらに今日では、音楽史や音楽学の他に、音楽心理学、音響学なども基礎教養として要求されてきています。ピアノの領域にも、周辺にエレクトロニクス革命の変化が起こっており、さまざまな新しい技術とも対応していかなくてはならないからです。

このように、調律師になる条件としては、音楽的感性とは違った職能的な音のカンの養成が不可欠ですが、これも、一朝一夕にして習得できるものではなく、顧客とのコミュニケーションや経験によって培われるものです。
一口に顧客といっても、所有者・管理者・音楽教師・演奏者とさまざまで、その要求も単純な調律の要望から、より高度な音色への注文まで、いろいろなレベルの課題があります。
こうした要望を的確に、しかもピアノへの愛情を込めて処置するには、いろいろな困難があり、これを克服して顧客の信頼を勝ち取るのは、容易なことではありません。
そこには、その人の持つ人間的な魅力とか人格的資質、人間性がかかわってくるといってもよいでしょう。

この職業の歩みと展望

ピアノは家庭の豊かさのシンボルとして、急速に普及しました。
これに伴って、ピアノ調律師の需要も増えていきました。しかし、このところピアノの売れ行きにもかげりが見えはじめています。

ピアノの生産台数は昭和55年の39万台がピークで、その後は減り続けています。 しかし、ピアノの寿命はかなり長いため、現在、国内で稼動中のピアノは、少なく見積もっても600万台はあります。 調律師が1人で年間600台の調律に当たるとして、8,000人~10,000人ぐらいの調律師が必要になりますが、この数は、ほぼ現在の調律師の数に見合っています。

ピアノ調律師は、毎年150~180人の新規参入があるようですが、現状は一種 の飽和状態と考えられます。 ピアノを持っているのは一般家庭が最も多いわけですが、定期的に調律をしていないところもかなりあるため、関係団体ではもっと調律の必要性を啓蒙しようとしています。 ピアノの調律は平均年1回の他、2~3年に1回の整調、整音というのが標準のようですが、この間隔がもっと短くなれば、調律師の需要伸びももっと期待できることになるというわけです。

労働条件の特徴

企業に所属している調律師は、会社の規定によって待遇や労働条件・賃金などが定められています。 この場合、技能の習熟度や実力の程度によって、技能評価が加味されることもあります。 労働時間は、定期的に社内研修があるため、拘束時間がいくらか長いようです。 これは、調律の技能が高度な技術の積み重ねによる習熟に頼っているためです。 養成と就業の環境はともに良好で、温湿度コントロールされた調律室や、完全に防音施工された実習室内での作業が中心となっています。

また、企業の調律師は、販売会社の各地の営業所やサービスセンターなどへの転勤があります。 販売営業活動を担当しながら、ピアノ購入者との対話を通じて、販売、フォロー・メンテナンスなどのノウハウを身につけます。

独立自営業者の場合は、厳密には労働時間が定まらず、収入も依頼者の数や依頼内容によってかなりのバラツキがあります。 調律技能の程度が高く、知名度や経験の度合いが上がっていけば、その高い評価が収入面にもはっきりあらわれてきますが、他の自営業と比べて不安定な要素もあり、収入面ではかなりの格差があります。 また、年に1~2割り程度は引っ越しやピアノ練習の中断などによる顧客の減少を考慮する必要があり、これを補うために、顧客から紹介を受けたり、ピアノ販売に積極的であることも必要です。

この職業についての問い合わせ・団体関係

ピアノ調律師養成について詳しく知りたい人は、次の団体や学校に問い合わせてください。

一般社団法人 日本ピアノ調律師協会 〒101-0021 東京都千代田区外神田2-18-21楽器会館5階
TEL 03-3255-3897
ヤマハピアノテクニカルアカデミー 〒436-0038 静岡県掛川市領家1480
TEL 0537-24-7704 FAX 0537-24-8019
カワイ音楽学園 調律学科 〒430-8665 浜松市中区寺島町200番地 (株)河合楽器製作所本社内
TEL 053-457-1327 FAX 053-457-1330
国立音楽大学別科調律専修 〒190-8520 東京都立川市柏町5-5-1
TEL 042-535-9580
国立音楽院 〒154-8558 東京都世田谷区池尻3-28-8
TEL03-5431-8085
中部楽器技術専門学校 〒466-0027 名古屋市昭和区阿由知通3-13-6
TEL 052-741-6788
横浜ピアノ調律学院 〒211-0833 神奈川県横浜市神奈川区高島台18-1 佐道ビル1階
TEL 045-324-6491
京都ピアノ技術専門学校 〒612-0822 京都市伏見区深草鞍ヶ谷町45-5
TEL 075-644-2005
日本ピアノ調律・音楽学院 〒150-0044 東京都渋谷区円山町28-1
TEL 0120-410-115
代官山音楽院 〒150-0032 東京都渋谷区鶯谷町2-7
フリーダイヤル 0120-480-952  TEL03-5459-0055