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中国支部『若い音楽家のためのコンサート』出演者感想文   2019年06月18日(火)15時33分

2019年4月4日(木)に「若い音楽家のためのコンサート」を今年は、広島県福山市の県民文化センター福山で開催いたしました。
6名の方が華麗な演奏を披露してくださいました。

出演後、各演奏者の方に・・・

①出演の感想
②良いピアノ・理想のピアノ
③今後のピアノ業界・音楽業界に必要なこと

を、アンケートいたしました。
アンケートがまとまりましたので掲載いたします。
ピアニストの気持ちやピアノに対する思いなど、日々我々にはなかなか伝わりにくい面があります。このアンケートが私達とピアニストの多少なりとも橋渡しになれば幸いです。

出演者の皆様、お忙しい中ありがとうございました!

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左より   西奈那子さん  野瀬百合子さん  中川真理恵さん(伴奏:山根真優さん)

【西 奈那子 さん】
①感想
こうして舞台に立ち、自分の音楽を聴いていただけること、このような機会を与えてくださったすべての方々に感謝しています。演奏はまだまだでしたので、これからの人生を懸けて、大好きなベートーヴェンを追究していきたいです。また「良い音」「良い響き」とは何かを、常に心に留め、研鑽を積んでいきたいと思っています。
この度は、本当にありがとうございました。

②良いピアノ・理想のピアノ
これまで出会ってきた先生方に教えていただいたことで、私自身がいつも心がけていることは、「ピアノと語り合うこと」です。特に初めての会場で触れるピアノには、どんなふうに響いてくれるのか、心で対話しながら演奏しているような気がします。どんなピアノでも、そのピアノらしい良い響きを創ることができるようになりたい、というのが私の願いです。よって、良いピアノ、理想のピアノ…の前に、自己研鑽に励むことが、私の一番の課題です。

③ピアノ業界に必要なこと
このようなことを言えるような立場ではございませんので、割愛させていただきます。

【野瀬百合子 さん】
①とても楽しく演奏させていただきました。しかしもっとそのピアノがもっている良さを引き出す演奏を目指せたのではないかなと思います。なぜそう思うのかというと、そのピアノの特徴を理解して生かす演奏をする難しさというものを実感したからです。
私は自分自身の向上も兼ねて一年に一回リサイタルを行なっているので、これからの大きな課題かなと感じました。自分のピアノを会場に持っていくわけにはいきませんから、違う状況に対応できる練習やイメージトレーニングももっとしなければと思いました。
ホールによっても違いますが、その場の空気やピアノとすぐ馴染めることが出来るようにこれからも多くの本番に関わっていきたいです。この度はありがとうございました。

②自分の表現したいことを音に出せるピアノがいいピアノだと思います。いいピアノに触れていると自分の創造力を伸ばしてくれる可能性を感じます。どうすればいろんな音色を出せるのか追求したくなりますし、次にいいピアノに出会ったときにそのピアノにあるいい特徴をたくさん引き出せる自分になろうと思えます。

③もっと多くの人に会場にお越しいただいて、クラシック音楽を聴く機会が増えてくれると嬉しいです。そうなるようにもっと自分のレベルを高めること、どうすれば少しでも興味をもってもらえるか常に模索する必要があります。

【中川真理恵さん】
①この度は若い音楽家のためのコンサートに出演させていただき、ありがとうございました。普段私はポップス奏者をしているので、久々のクラシックの演奏は非常に貴重な機会でした。いつもは大音量のバンドの中で演奏することばかりなので、ひとつひとつの音が繊細に聞き取れるクラシックを演奏する事で、音質や音の粒など些細な事の気がつく事ができ、原点に戻る事が出来た気がしました。またこれからはポップスのステージでパフォーマンスする毎日が始まるのですが、初心を忘れないで演奏する事を心がけようと思います。

②ピアノもクラリネットも共通しているのではないかと思うのですが、自分のしたい事に対応してついてきてくれる楽器が理想の楽器と考えます。

③自己満足ではなく、確実に聞いている方が楽しんでいただけるアプローチを演奏の中で出していける事だと考えます。
また、自分らしさや個性といった、他の人とは違う何かで「気になる!」「また聴きたい!」という興味を引きつける事が大切ではないかと考えます。

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左より   矢吹彩さん  桒田えりかさん  井上千裕さん

【矢吹 彩 さん】
①様々な角度から自分の演奏を修正しつつ本番を迎えました。まだまだ課題だらけですが、たくさんご活躍されている出演者の皆様と御一緒出来て勉強になりとても楽しかったです。

②弾力のあるピアノは弾いていて楽しくなります。

③講師の仕事をしているとシニア層に向けたアプローチがとても重要視されていることを感じます。ピアノを通じて、「体験してもらう楽しみ」、「病院での療法」、また「演奏会でもシニアの方達にも楽しんでもらえる工夫」が大切だと思います。

【桑田えりか さん】
①私には、大学在学時に見つけた夢があります。その夢のためにピアノを演奏する生活から離れて大学院へ進み、教育に関する研究を始めました。大学院を修了し、教師として働き始めると、ピアノに触れる機会が年々増え、私の中でピアノを弾きたい気持ちが大きくなっていました。そんな時、今回のコンサート出演のお話をいただきました。それと同時に大学時代の恩師から、5年ぶりに手紙が届いたのです。私はピアノに呼ばれている気がして、コンサートに参加することを決め、仕事を辞めてピアノを弾き始めました。
始めてみると、5年という壁は大きく、苦しい毎日が続きました。思う通りに指が動かない、奏でたい音にならない。私の中で1番高い壁となったのは、失敗への恐怖心でした。気持ちだけが焦り、不安に苛まれ、ピアノに背を向ける時もありました。ですが、当日のリハーサルでピアノを触った瞬間、演奏会を楽しまなければ損だと思う気持ちでいっぱいになりました。
今回の演奏会に参加させていただいたことで、ピアノを弾くことの楽しさを思い出すことができました。このような素敵な機会いただいき、とても感謝しております。ありがとうございました。

②私にとって良いピアノは、人のクセを吸収しすぎていない、お互いの力で支え合い、イメージの共有できるピアノです。ピアノは持ち歩ける楽器ではないため、一期一会の出会いだと思っています。音を出した瞬間から意思疎通を図り、1音でも早く1つになり、自分のイメージ通りの音を共に創り出すことができる、ピアノが私の理想のピアノです。

③少しでも多くの作品と出会う機会、そして本物に触れる機会だと思います。SNSが普及している昨今、クラシックに出会うためチャンスは、アニメやスケートを通して"耳にしたことがある"という1つのクッションを隔てる必要だと感じることが多くあります。若い世代が、視覚的にも楽しいと思えるようなクラシックの入り口を設け、身近なところで耳にすることが大事なのではないかと思います。ある程度耳に馴染ませてから、機械を通してではなく、本物に触れる機会に出会えるといいなと思います。

【井上千裕 さん】
 ピアニストは、自分の楽器を各会場まで持ち運ぶことも難しければ、他の楽器奏者のようにチューニングも自分ではできません。これまでに沢山のピアノに出会い、演奏してきましたが、調律ということに対して強く興味を持ち、その魔法をより実感するようになったのはここ2・3年です。
 子供のころや、学生の頃は、なかなか調律師の方と実際にお会いし、お話をさせていただく機会がほとんどありませんでした。コンサートホールで演奏することがあっても、他にも出演者がいれば、調律師の方に自分の好みの調整を伝えるチャンスもありません。なにか会場のピアノに違和感があっても、それが調律や調整によって改善されるものなのか、と考えるよりもまず、この会場のこのピアノは苦手だ、とか、この場所のピアノは弾きやすい、などと、ピアノ自体と自分との相性が問題だとしか考えていませんでした。
 師匠とコンサートで共演させていただいたとき、師匠が調律師の方にリハーサルの最中、「このA(ラ)の鍵盤のタッチに他の鍵盤も合わせてほしい。」と調整を頼む姿を見て、ピアノに対して何か弾きにくさを感じたら調律師さんにお願いすればいいんだ!と、今となっては恥ずかしいですが、その時初めて気づきました。その時の調律師の方は、リハーサルでの私の演奏を聴いた後、「私の手を思いっきり握ってみてください。」と私に話しかけました。意図もわからず私はその方の手を握りましたが、はじめは遠慮もあり、少し強め程度に力を入れました。「もっと。私が痛がるくらい。」と言われ、今度は思いっきり握りましたが、その方は痛くもかゆくもなさそうな顔で、「やっぱり。握力はそのくらいかと演奏を聴いて思いました。力任せではなく、耳でよく音を聞かれていますね。」と話されました。私の演奏を少し聞いただけで、調律師の方というのはそんなことがわかるのかと、とても驚いたのを覚えています。
 大学在学中や、留学中から少しずつ、仕事として演奏させていただく機会が増え、それに伴い、現場で調律師の方ともお話しする機会が増えました。私はピアノのどの部分をどう調整すれば、私が欲しい音が鳴りやすいようにピアノが変わってくれるのかわからないので、調律師の方への伝え方を困ってしまうのですが、いつも調律師の方々は、私の心の中を読み取り、ピアノと私を仲裁してくれます。いつも魔法のようだと思っています。
 今回のコンサートで改めて感じたことがありました。私は本番を迎えると、言葉にするのは難しいのですが、同じ曲の演奏でも本番でしかない音の聞こえ方や、同じメロディーでも練習していた時そのメロディーに感じていたものとは何か違うものを感じることがあります。それは家で練習しているいつもの楽器と本番での楽器は違うことや、その日の私の気持ち・緊張感、天気や会場の雰囲気、そして、その日の調律師さん、それはその日その時により異なること、ピアノは決して機械ではないこと、音楽は生きていること、が関係しているように思います。
 たくさんの調律師の方々とお話しさせていただき、普段では聞けないようなお話も聞くことができ、とても勉強になりました。改めて、ピアノという楽器も面白さ、調律の奥深さなどに気づき、様々なことを考えさせられました。今後の自分の演奏に活かし、精進しようと思います。協会の皆様、関係者の皆様、ありがとうございました。

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 出演者

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2019年度第1回マニュアル研修会のご案内   2019年05月29日(水)18時58分

日時:2019年6月27日(木) 13:00~17:30

会場:下関市勝山公民館音楽ホール
   (山口県下関市秋根南町2-4-33)

内容:「グランドピアノ整調の基礎の再確認と応用」

講師:鵜飼 淳氏(ヤマハ株式会社ピアノ技術サービスグループ)

会費:無料(一般12,000円)

懇親会:4,000円(JR下関駅付近)

参加申込:中国支部会員は返信用はがきに必要事項をご記入の上、投函して下さい。
     他支部の皆様、一般の方は中国支部090-7978-0440までお申込下さい。
     ※宿泊の申込みが必要な方は返信用はがきでお知らせください。

締め切り:6月21日(金)必着

問合せ先:中国支部事務局 090-7978-0440

日本ピアノ調律師協会